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子どもの矯正についてChild Orthodontics

子どもの矯正につい

Child Orthodontics


小児歯科矯正の治療方法
(3歳頃~12歳頃)

歯列矯正用咬合誘導装置(ムーシールド・T4K)

ムーシールド

ムーシールド
装着時

歯列矯正用咬合誘導装置とは透明な小児用マウスピース型の矯正装置で、反対咬合(受け口)の治療に使用します。

3歳~8歳くらいのお子さまが対象で、寝ている間を中心に使用します。最初のうちは寝ている間に口から飛び出してしまったりすることがありますが、次第に上手にはめていられるようになります。
早い場合は3か月くらいで反対咬合が治ることもあります、その後経過観察と保定期間を含め1年前後、装置を使用します。

今までは3歳児検診でこのような咬み合わせの異常を指摘されても、「永久歯になれば改善することもあるので様子をみましょう」ということがよくありましたが、実際には、何もしないで放置し、自然に治ったというケースは稀です。

反対咬合の原因には遺伝的なものもありますが、それ以外には低位舌が原因の場合もあります。低位舌とは舌の位置がいつも下の前歯あるいは下の歯並びを前に押してしまっているような状態を言います。
本来、舌の先端は上あごの歯ぐきあたりにあるのが望ましいのですが、舌の位置がいつも低い位置にあり下の前歯を押してしまっていると反対咬合になる要因となります。
ムーシールドは筋機能訓練装置とも呼ばれ、このように低位舌が原因で反対咬合になっている場合に、口周囲の筋のアンバランスを訓練・修正してあげることで結果として反対の噛み合わせが改善されていきます。

装置は3歳のお子さまでもすぐに使用できる簡単な装置ですが、使えるかどうかは実際に練習用装置を使い、お子さんのお口に入れて上手に使えるのを確認してから始めさせていただきます。 使用方法は、ご父兄とお子さん一緒にご指導致します。


T4K

また、反対咬合はじめ不正咬合の原因が、お口の良くない癖・・例えば舌位置、口呼吸、舌の突き出しなどの場合は子ども用の簡易型マウスピース矯正装置(T4K)の装置を使って、口腔筋のトレーニングをします。
このトレーニングによってついてしまった悪癖を直すことで、正しい顔と顎の発育のバランスを整え、正常な歯列の発達を促します。
あわせてトレーニングすることで 正しい歯と顎の位置づけをすることができます。
簡易型マウスピース矯正装置(T4K)は、永久歯が生えてくる子供の成長段階に装着することで歯並びをよくしていきます。

メリット

  • 床矯正のような装置の作成費がかかりませんので安価
  • 通院はマウスピースに慣れてくれば、2~3ヶ月に1度です
  • 顔の表情も良くなります
  • きちんとはめれば夜寝ている時の装着だけで良いこと
  • 風邪を引きにくくなること(免疫力向上)

デメリット

  • 子供が装置を入れていないと治療が進みません
  • 慣れるまではお子さんだけに任せない!親の管理が必要です
  • 主に寝ている間の使用ですが、日中1時間程度装着しなければならない場合もある
  • 装置を乱暴に扱うと壊れることがある
  • うつ伏せ寝、ほほ杖、舌癖、口の癖など悪習癖があると良い結果が出ない

床矯正

床矯正
床矯正装置(上)

床矯正
床矯正装置(下)

床矯正
床矯正 装置

「床矯正」というのは、発育途中にある子供の「あごの骨」を正常に発育させ、歯を抜かずに「自然に」美しい歯列にするための矯正治療です。乳歯の時期や乳歯と永久歯が混ざり合った時期(混合歯列期)に、あごの成長をみながらかみ合わせの改善、あごの大きさの改善などを行います。

早い時期に問題を解決することで、本格的な治療が必要なくなったり、期間が短くなったり、永久歯を抜くことがなくなったりする可能性が広がります。

小さい子どもでも使えるように構造が簡単な装置、自分で取り外しできる装置を主に使用します。また、家にいる時だけ装置は装着しますので、お子さんへの負担も少なくて済みます。 すなわち、余分な歯を抜いたり、ワイヤーなどを使って、歯を無理やり整列させるのではなくあごの発育を促進させることで、自然に歯ならびを整えるよう誘導してゆく治療方法です。

床矯正の大切なポイントには、「開始時期」があります。
なぜなら、床矯正においては、「成長する力」がとても重要なカギを握っているからです。
逆にいえば、成長期を過ぎ、顎の形が決まってしまってからでは治療は遅すぎるといえます。
つまり、正しい顎や骨格、噛み合わせへと導くためには、早期に治療に取り組むことがとても重要なのです。

当然ですが床矯正にもメリットとデメリットがあります。
これらは患者様に応じて判断していく必要があるため、わからないことはお気軽にお尋ねください。

メリット

  • 虫歯になりにくい
  • 生え変わりの時期に効果的
  • おうちだけでの装着なので、友達に知られない
  • 矯正治療にかかる費用が抑えられる

デメリット

  • 毎晩の装着をサボると、効果が下がりますので、ご自宅での協力が必要
  • 成人では高い効果が得られない

リンガルアーチ

リンガルアーチ
リンガルアーチ

歯の裏側から使用するアーチ状の装置です。奥歯が前にくるのを防いだり、内側から歯を押すことで口腔内を広げながら歯並びを整えていきます。
前からは見えません。

その他の装置

その他の装置

その他にも、上顎前突(出っ歯)に使用する装置「バイオネーター」、舌の癖が原因の前歯開咬に用いる「タングクリブ」など、いろいろな種類の装置があります。
その中から お子さんの歯並びの状態や年齢により、最も適した装置・方法を選択し矯正治療を進めていきます。

小児歯科矯正の症例


小児歯科矯正の症例

反対咬合(かみ合わせが逆・受け口)

症例

初診時年齢・性別7歳2ヶ月 男性
主訴前歯のかみ合わせが逆
診断名・主な症状前歯部の反対咬合
治療内容床矯正装置を就寝中と自宅で過ごす1時間ほど使用 
治療期間7ヶ月
注意点・リスクなど矯正装置による違和感,痛み、慣れるまで就寝時外してしまうことがある 
治療費用約7万円

反対咬合(かみ合わせが逆・受け口)

リンガルアーチを装着

症例

初診時年齢・性別7歳8ヶ月 男性
主訴前歯のかみ合わせが逆
診断名・主な症状前歯部の反対咬合 下の顎が広がってきている
治療内容上顎にはリンガルアーチ、下顎にはバイトプレート装置を使って治療
治療期間7ヶ月
注意点・リスクなど矯正治療による伴う痛み、慣れるまで舌感が気になる、歯磨きがしづらくなる 
治療費用約10万円

反対咬合(かみ合わせが逆・受け口)

乳歯側の反対咬合です。
歯列矯正用咬合誘導装置(ムーシールド)を5ヶ月間使用していただき、きれいに治りました。

症例

初診時年齢・性別4歳7ヶ月 男性
主訴乳歯のかみ合わせが反対
診断名・主な症状前歯部の反対咬合 下の顎が広がってきている
治療内容歯列矯正用咬合誘導装置(ムーシールド)を装着する事ができたので、
就寝時しっかり使って治療
治療期間5ヶ月
注意点・リスクなど保護者による管理が必要、舌を正しい位置に置かないと改善しない
治療費用約13,000円

反対咬合(かみ合わせが逆・受け口)

リンガルアーチを使っての治療。

症例

初診時年齢・性別6歳9ヶ月 男性
主訴かみ合わせが逆
診断名・主な症状前歯部の反対咬合
治療内容上顎にリンガルアーチを使って治療
治療期間6ヶ月
注意点・リスクなど矯正治療による伴う痛み、歯磨きがしづらくむし歯リスクがでる
治療費用約6万円

歯並びがデコボコしている(叢生)と反対咬合

症例

初診時年齢・性別8歳3ヶ月 男性
主訴前歯がガタガタになっている
診断名・主な症状前歯の反対咬合と叢生とがある、まず反対咬合を治しその後叢生を治していく
治療内容リンガルアーチを約1年使って反対咬合を治し、
その後は床矯正装置を使い叢生を改善させた
治療期間約4年
注意点・リスクなど矯正治療による伴う痛み、慣れるまで舌感が気になる、
就寝時しっかりと装置を使わないと効果が出ない。
歯磨きがしづらくむし歯リスクが高まる
治療費用約20万円

歯並びがデコボコしている(叢生・八重歯)

症例

初診時年齢・性別11歳4ヶ月 女性
主訴歯並びがガタガタになっていて 歯磨きもうまくできない。
診断名・主な症状叢生、顎が狭いため歯が並びきれてない状態
年齢的に顎の成長は止まっているため上下左右1本ずつの抜歯が必要
治療内容上顎にはクワドヘリックス、下顎にはリンガルアーチ装置を使い、歯列を拡大
第1小臼歯4本を抜歯してからは、ブラケット矯正装置を使用。
治療期間7ヶ月
保定期間3年
注意点・リスクなど矯正治療による伴う痛み、抜歯の痛み、慣れるまで舌感が気になる、
装置のため歯磨きが難しくなり、むし歯のできるリスクが高まる
治療費用約61万円
抜歯部位上下左右 第1小臼歯

開咬

症例

初診時年齢・性別8歳3ヶ月 男性
主訴前歯が噛み合わない、くちゃくちゃさせて食べる、いつも口をポカンとしている
診断名・主な症状開咬・舌癖もみられる。タングクリブ・歯列矯正用咬合誘導装置(T4K)を使用。
治療内容タングクリブ・歯列矯正用咬合誘導装置(T4K)を使用しながら、舌トレーニングも行い口呼吸の改善も図った。
治療期間3年6ヶ月
注意点・リスクなど矯正治療による伴う痛み、慣れるまで舌感が気になる、歯磨きがしづらく虫歯リスクがでる。
トレーニングも並行して行わないと改善が困難。
治療費用約25万円